私たちの育てる短角牛は、「日本短角種」という和牛の一種で、国内で飼育される肉用牛のわずか1%に満たない希少な牛です。
ルーツ ;短角牛は藩政時代に東北の南部藩で飼われていた南部牛と明治以降日本に入ってきたショートホーン種をかけ合わせてできた、寒さに強く、牧草だけでも良く育ち、母牛は泌乳量が多く子育て上手なため、放牧に適した牛です。故郷の東北では、春から秋にかけて山に放牧し、冬だけ里の牛舎で世話をする「夏山冬里方式」という飼養方法で、放牧期間は母牛の群れに1頭の種牛を混ぜて放し、繁殖を種牛による自然交配で行う「まき牛繁殖」を行っています
えりも町では;厳しい自然環境でも人の手をかけずに育つことから、えりも町では明治28年ごろ導入されたといわれています。第二次大戦中に飼育が中断されましたが、戦後、漁家の凶漁の時の収入を補うために漁業との兼業で飼育が再開、多くの牧場で仔牛の生産が行われ、当時の厳し生活を短角牛が支えてくれました。最盛期には1000頭を超える短角牛が飼育されていましたが、平成3年からの牛肉輸入自由化、消費者の霜降り肉志向におされ、短角牛を飼育する農家が減少。現在、短角牛のみを飼育する農家は私たちだけになってしまいますた。
高橋牧場の牛たち ;高橋牧場の短角牛は、5月から12月上旬を太平洋を望む広々とした放牧地でのびのび過ごします。冬場の牧草が枯れた時期だけは、百人浜近く(折別)の放牧場に移動し、そこで夏の間に準備した牧草のサイレージと干草を食べて過ごします。牛舎で過ごすのは、皆さんに美味しいお肉を提供するために仕上げを行う出荷前の数か月だけ。その一生のほとんどをえりもの風に吹かれ、大地に育まれて育つ自然派の牛たちです。